装丁のはなし

イベントから1週間経ちますがまだ未読の戦利品があります、のんびりペースとはいえ幸せすぎるぜ。

今回比較的進行がよく(というのもTL上でみなさんも原稿していたのでモチベーションを一定に保ちやすかった)、構想時点でやろうと思っていた装丁が全部できたので久しぶりに説明してみようかな!と思います

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表紙:偏光ラメペーパー・ブルー
印刷:CMYK+白
名前のとおり、角度などによって青みのあるラメっぽく見える特殊紙です。
偏光というのを活かしたかったのでタイトルの白文字とシルエット状の楽譜っぽい紙の部分にはインクを載せずつくりました。人物には100%で白を載せていますがそれでもラメ感が透けてかわいいですね。やったぜ。これは完全に個人の好みで、カラーイラストはくすみ強めにしてしまうんですが、この本に関しては思い切って彩度上げてもよかったかも。
性質上PP加工ができなかったので、納品時は1冊ずつあて紙が挟まっていました。気遣い…!(でも頒布時ちょっと面倒だな!と思いながら抜いた。インクが擦れる可能性があるので保管時は気をつけたい)


表紙2-3:CMYK印刷
遊び紙:ミランダ空
表紙2(本文の前)は鍵盤、表紙3(読了後)はPCのキーボードにしました。言わんとしていることはたぶんわたしより読んでくれた方のほうが言語化うまいと思うので割愛。ちらばるあしあとは無限の猿定理です。
遊び紙はみんな大好きミランダで、本全体をブルー系でまとめているので空を選びました。画像だとわかりにくいですがラメっぽい紙です。このあたりもうちょっと冒険できるともっとおもしろいかも。そんな感じでトータルでずいぶんきらきらしていたと思います。しかしわたしの絵が地味だよねえ。卑下ではないですがもうちょっとポップな雰囲気も描けたらいいな~
本文用紙は特筆するほどではありませんが、コミック紙ホワイトや上質紙よりもクリーム系を選びがちです。なんか漫画っぽくて好きなんですよ。真っ白だと粗も目立つし!ガハハ!!


表紙:アートポスト+マットPP
印刷:CMYK+箔押し(アメジスト)
表紙イラスト自体はウオオオオオ間に合えーッ!!という突貫なのでおいておいて(水彩っぽいムラのある加工は気に入っています。神のオートアクションだよりですが…)、アメジスト箔押しがお気に入りです。ぱっと見は銀箔とあまり変わらない印象ですがこちらも角度などによって若干のパープルが差します。自分がイメージする恋心の芽生えの色なので…あの、ちょっと何言ってるかわかんないと思うんですけどそういう考えで選びました。か~わいっ!


遊び紙:グラデーショントレペ(ゴールドラメ・ライトピンク)
こちらはサンライズパブリケーションさんのオリジナル遊び紙です。
登場時からかわいすぎる、使いたい、と思っていたので自分の本のなかでは比較的少女漫画マシマシかわいい話!だった今回、チャンスだ!と思って選びました。『猫がショパンを~』のほうが青系でまとめたこともあって対比としてもいいかなと思いつつ。
でも発注時に選択するの忘れてて〆切日(=入稿日)のお昼にあわてて電話で追加しました。遊び紙だから間に合った話ですね……気を付けます。
で、せっかくなのでこちらは本文もルンバピンクを選んで全体をピンクにまとめました。
サンライズさんは本文にルンバピンク、ルンバブルーが気軽に使えるので好き。角丸加工も入れようかと考えましたが表紙の白枠のRと干渉してきもちわるいかなと思い直してやめた(表紙を修正する余裕はなく…)。


用紙:ジュエルペーパーオーシャンブルー+クリアPP
印刷:RGB+白
このしおりは本当に実物をぺらぺら回して見てもらうのがいちばんなんですが、ジュエルペーパーって豪華だなあ!!という仕上がりです。
以前再録本の表紙で同じくジュエルペーパーのアクアマリンを使って、いいな~と思ったので再登場です。
白印刷は人物に敷いたのと、散っている白いなにか(いちおうこはねちゃん側は春をイメージして花びら、とや側は冬をイメージして雪のつもりです)に使いました。
中央の円形部分はキャラ以外色を載せていないので紙そのものの色味、外周は実は薄らとピンクとブルーのグラデーションを載せて見え方を誘導しています。理想通りの仕上がりでガッツポーズでした。ちなみに直径7cm程度で作っていて、これは文庫サイズの同人誌にもはみ出さず挟めるんですね。そうです、わたしが神々の同人誌を読むときに使おうと思ってつくりました。私利私欲最高~!

そんな感じで、余裕進行はすばらしいね…というまとめでした。楽しかった。
冬コミもやりたい装丁は決まっているんですが進行次第であきらめる可能性大なので見ていてください……